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■臨床試験と治験


製薬メーカーが開発した治療効果のある薬剤を医薬品(お薬)として病院等の医療施設で使ってもらったり、薬局で販売してもらう為には、事前に、厚生労働省に承認、認可してもらうことが法律で義務づけられています。

その為には、承認前の薬剤(医薬品候補)を、実際に、患者や健康な人に投与することにより、安全性(副作用の有無、副作用の種類、程度、発現条件など)と有効性(効果、最適な投与量・投与方法)を確かめる必要があります。

この、「新薬開発」の為の「治療を兼ねた試験」のことを「治験(ちけん)」と言います。

1.事前の動物実験・・・治験は、動物実験(前臨床試験)で、有効性や安全性を十分に確認した後に、健康な人やその疾患の患者に対して実施されます。

2.副作用が発生した場合・・・もし、治験の結果、重篤な副作用が発現するなど、安全性に問題があったり、治療効果が認められなかった場合は、当然、医薬品(お薬)として認められることはなく、開発中止となります。また、副作用による健康被害の治療及び後遺症に対しては、被験者に対して十分な補償(医療または金銭の提供)が行われます。

3.科学的・倫理的・・・治験は、それによって得られるデータの信頼性を確保すると共に、被験者の人権を守るために、GCP(医薬品の臨床試験の実施基準)という厳格なルール(法律)の下に、科学的かつ倫理的に実施することが義務付けられています。

4.治験審査委員会・・・治験の実施前・進行中は、医療専門家、法律家、市民によって構成された、治験の進行を監視する委員会(治験審査委員会)によって、GCPにのっとり科学的かつ倫理的に監視・審査されます。大きな権限を持つので、治験の実施に当たって、科学面・倫理面で重大な問題が発生すれば、治験中止を命じる場合もあります。

5.インフォームド・コンセント・・・また、治験に参加する患者(被験者)は、参加する治験の内容、それから得られる利益、不利益、副作用が発現するリスクなどについて、十分な説明を受け、十分理解・納得した上で、同意(文書同意)すること(インフォームド・コンセント)が、権利として保証されています。また、いつでも理由なく辞退することができ、辞退による不利益を被らないことを保証されています。

6.治験の実施者・・・通常、治験は、その薬剤を開発または販売を行う製薬メーカーが計画し、病院などの医療機関に委託して行われます。その為、製薬メーカーの担当者が直接被験者に接触することはなく、医療機関の医師及び医療スタッフ・治験スタッフが、被験者と対応することになっています。

臨床試験とは「治療を兼ねた試験」を指しますが、「新薬の開発の目的に限らない」が特徴です。 「新薬開発」だけでなく、薬の効果の追跡調査を行ったり、既存の薬の別の効能を調査・確認したりするなど、人(患者や健康な人)に対して行う、治療を兼ねた試験の全てを指す言葉です。

■今回の肥満症試験について


既に欧米で販売されている肥満症治療薬が日本で販売されるにあたりモニターを募集することとなりました。 海外での実績があるこのお薬は、厚生労働省の管理下の臨床試験となります。

今回の臨床試験は既に海外で販売されているお薬で、安全性などは確かめられています。国内販売という意味で厚生労働省の許可を得るための臨床試験という位置づけになるわけです。

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